期待を込めて褒めるとその通りになる!?

例えば上司が部下に対して、「〇〇さん、仕事が早くていいね!」とほめると、本当に部下の仕事が早くなる。これを心理学ではピグマリオン効果といいます。

1964年に、アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールが行った実験により提唱され、別名ローゼンタール効果とも呼ばれています。「人は、期待された通りの成果を出す傾向にある」ということが分かったのです。

ちなみに、ピグマリオンとは、ギリシャ神話に登場する王様の名前で、彼が自分で彫った象牙の女性像に恋をして、人間になれ~と熱心に願っていたら本当に人間になった、という物語に由来しています。

大事なのは“期待を込めること”

「〇〇さん、仕事が早くていいね!」を無表情、棒読みで言われたら、相手には何も響きません。むしろ「嫌味ですか!?」と言われかねません。大事なのはちゃんと“期待を込めること”です。そのためには、表情や声のトーンをきちんと作ることが重要です。「メラビアンの法則」といって、話し手が聞き手に与える影響は、55%が視覚、38%が聴覚、言語そのものの意味は、たったの7%しかありません。つまり、表情やしぐさ、そしてその言葉を発した際のトーンや口調の印象が、9割以上を占めるのです。ですから、決してテキトーに褒めるのではなく、相手の目を見て、とても嬉しそうに「よくやった!これからもよろしくね!」と褒めてあげることが重要なのです。

期待を込めて褒めるとその通りになる!?

ウソでは意味がない

とはいえ、まったく仕事ができていないのに、無理やり褒めることはできません。相手もちんぷんかんぷんです。褒めるのは、“本当にうまくいったとき”だけで結構です。多かれ少なかれ、誰しも“一度は褒められていい場面”があるはずです。そこを逃さなければよいのです。人間、どうしても他人の悪いところばかりが気になりますが、時にはその人の良い部分に目を向け、期待を込めて褒めてあげましょう。褒められた側は、きっと心の中で「次も頑張ろう!」と思うはずです。

嫌な上司にも使える

褒めるのは、何も上司から部下でなくてもよいのです。えこひいきしがちな上司には、そうでないときに「いつも公平に判断してくれるのでうれしいです!」と伝えましょう。えこひいきをすることが、だんだん苦になっていきます。シラフでいうのが恥ずかしい、怖いという場合は、お酒の席などで言ってもよいかもしれません。とにかく、相手を褒めることで、自分に有利な方向にもっていくことが重要です。

さいごに、この褒め殺し攻撃「ピグマリオン効果」とは反対の「ゴーレム効果」というものもあります。ピグマリオン効果の真逆で、「〇〇は本当に仕事ができないよな」と相手を責めることで、本当にできなくなってしまうという現象です。恐ろしい…。

とはいえ、マネジメントにおける「アメとムチ」というのは存在するわけで、使い分けすることが重要なのかもしれません。ただし、褒めるときは一生懸命褒めましょう!