売れる人はダメな人にダメだと言わずにダメだと気付かせる人

これまで大小様々な商談を行い、たくさんの失敗をしてきました。失敗をする度に凹むのですが、特に大きな商談が失敗したときは心が折れそうになります。そんな時は、何回も聞いたトップセールスの話をまた聞いたり、何回も読んだ本を読んだり、あるいは何度も見た動画などをまた見たりしながら奮起するようにしています。そういったものを見たり聞いたりする度に、「あーそうか。これを聞いておくべきだった。」とか「あの時こうすればよかったかもしれない」と思い出させてくれます。

そういったものを何度も見ているにも関わらず、いまだに失敗するのですから「営業とは奥が深いな~」と思うのですが(笑)、うまい人はやっぱりここが違うんだよな~と思うものが幾つかあります。私自身営業マンなので日々現場に出て色々実践しているのですが、その中でもうまい人だからこそできる?お客様をその気にさせる方法を一つ紹介します。

基本のキ「SPIN話法」

問題解決型(コンサルティング型)営業の基本として有名なものに「SPIN話法」というものがあります。すごく有名な話法なのでご存知の方も多いと思います。

  • S:Situation ⇒ 顧客の状況を知る
  • P:problem ⇒ 顧客の問題を知る
  • I:Implication ⇒ 問題を認識させる
  • N:Need-payoff ⇒ 問題の解決案を提示する
売れる人はダメな人にダメだと言わずにダメだと気付かせる人

これは問題解決型営業において「顧客をその気にさせる」最も基本的な(質問)話法です。SPIN話法のポイントは「商品やサービスの説明は後回し(最後)にする」ということです。まずは顧客の状況を質問しながら把握し、問題は何なのかを理解します。その上で、その問題を認識してもらってから初めて自社のサービスの説明、つまり解決案として提示します。ですから、SPIN話法を極める人は、自社の製品はもとより、あらゆる視点、立場から質問し、顧客の本音を引き出しその気にさせる高いコミュニケーション能力が求められることになります。売れる人は当然この問題解決型営業であり、その基本である「SPIN話法」を徹底的に極めています。

うまい人は“ココ”がうまい

SPIN話法を極めるとはいえ、その方法は業界によって差異があります。コピー機のリース販売をする会社と美容院にシャンプーを販売する会社では、顧客の属性やツボが違いますから、当然かかえる問題やその解決策は違ってきます。本屋で販売されている営業本やセミナーでの話はあくまで基本になるので、その上で自分の業界や自社の製品(サービス)によって変える必要があるのです。ただし、その基本の中で最も重要な事があります。それこそがまさに”うまい人ならでは”だと個人的に思うのですが、それは“Implication”(問題を認識させる)というフェーズです。売れる人、うまい人はこの「問題を認識させる」というフェーズに大きな力を使っており、とてもインパクトがあります。

問題を認識させるのは非常に難しい

例えば太っている人に「あなたは太っているからこのエクササイズマシンを購入したほうがいい」と言ったら、たぶんぶん殴られますよね(笑)。同じようにハゲている人に「ちょっと髪薄いとモテないですから、この育毛剤を使ったほうがいいもしれません」と言っても相手を不快にさせてしまいます。もちろんそんなことをいう営業マンはいないと思いますが、ではどうやって“その問題”を認識させるのでしょう。実はここに売れる人のヒントが隠されているのです。問題解決型営業では、顧客に問題を認識してもらう必要があり、それが無いと解決策(自社製品)の効果が弱まってしまいます。太っている人には、自分が太っているということを理解してもらい、それがやばいと理解してもらわないと意味がありません。

実はこの「問題を認識させる」というフェーズはとても難しく、一歩間違えると顧客を不快な思いにさせてしまい、最悪の場合その時点で失注となってしまいます。ですから多くの営業マンはこのフェーズをふわっと終わらせてしまうのです。インパクトは大きいほうがいい、でもやりすぎると怒らせてしまう、いわばもろ刃の剣なのです。

売れる人はダメな人にダメだと言わずにダメだと気付かせる人

現状とあるべき姿のギャップ

では売れる人はどうやっているのでしょうか。それは“現状とあるべき姿のギャップ”を顧客に見せているのです。「あなたはここが問題です!認識してください!」なんていう必要は全くありません。売れる人は現状を説明し、その次に”あるべき姿”の説明をします。そして顧客にそのギャップを見てもらうのです。顧客は現状とあるべき姿のギャップに驚き、それを埋めたいと思うようになります。つまりその気にさせてしまうのです。

現状の説明はきちんとヒヤリングをしていれば誰でもできますが、あるべき姿は顧客に明確にイメージしていただく必要があるため、その説明方法や話し方には大きな個人差が生まれます。優れた営業マンが極めているのはSPIN話法ではありません。ここを極めているのです。

あるべき姿をイメージさせる訓練をしよう

営業の仕事は問題解決をすることですから、少なくとも問題を見つけ、それを解決するための策を提示しなければなりません。優れた営業マンは、その解決策を提示する前に必ず「問題を認識してもらう」というフェーズを入れています。そのためには現状とあるべき姿を見せることが必要です。現状の問題は適切なヒヤリングができれば誰でもできるようになりますが、あるべき姿をイメージさせるためには訓練が必要です。個人的には場数を踏むしかないと思いますが、たくさんの場数を踏んで、なるべく大きなインパクトを与えるように注意しましょう。きっとそこに売れるためのコツがあると思いますし、私自身日々コツコツを訓練しています。

営業の皆さん、一緒に頑張りましょう!