【前編】香りにまつわるエトセトラ -営業部屋の香り問題-

『デパートの1階で、何気なく歩いてたら、君の香り見つけてなんだか照れてしまった。』(君は僕の宝物 / 槇原敬之)

ちょと切ないフレーズのエトセトラ。夏の終わり、秋風を感じる頃にぴったりかな。と、勝手に思っていますが、俳句における「香水」は夏の季語なのです。これを聞くと、きっとストンと腑に落ちるこの冒頭。

先日、私のデスクのある通称営業部屋(またの名を‘タコ部屋’ by春木さん)で、ファブリーズフローラルの香りをシュッシュとしたところ、入って来たディレクターの山口さんに「わ、なんですか?良い香りがする!」と言われ、程なく入って来たデザイナーの皆口さんに「うっ、何ですかこのニオイ・・・」と言われた。
雨上がり、部屋がムッとしていたので、はじめて試してみたのだが、香りに対する感じ方は人それぞれ違うのを改めて感じた。

momomoのオフィスの仕事場は、3部屋に分かれている。制作2部屋、営業1部屋。それぞれにインテリアや音楽、雰囲気、香りが異なる。匂いにフォーカスすると、皆口さんのいる部屋は、定期的にインド系のスティックお香を焚き、夏場は蚊取線香がモクモクしている。山口さんの部屋は、ベランダに通じる大きな窓があり、風通しが良い。頻繁に香りを設定しているような印象は受けないが、時々お香を焚いているのを見かけたような朧げなな記憶がある。どうでしょう?営業部屋は、約一年前には消臭力が置かれていたが、切れたので捨て、新たに買い足しをしていない。

近日、代表が繁忙期にこっそり吸っているのではないかと推測されるアイコスのニオイがしたので、私がアロマオイルを垂らしてみたり、それでも効かないから家で使っていた気化式アロマディフューザーで香りを散布してみたりもしていた。その時は、「良い香りがする」と言われていたら、散布の際の電動音が少し大きく代表が気になるような素ぶりをみせたので、席を並べるものの配慮として、さりげなく家に撤去してみた。

今回は“ニオイ”について一考。

「におい」

  • 赤などのあざやかな色彩が美しく映えること。視覚で捉えられる美しい色彩のこと。
    「匂い」襲の色目のひとつ、上を濃く、下を薄くする配色。「匂い」。
  • 空気中を漂ってきて嗅覚を刺激するもの。

近年では後者のような、嗅覚を刺激され、人が感じる物質や感覚という意味で用いることの方が増えているそうだ。

「におい」は大和言葉で漢字を当てる場合、基本的には「匂」「匂い」と表記される。「匂」は当用漢字ではなく、国字となる。ご存知の通り、 良いにおいを「匂い」、悪いにおいは「臭い」と書くことが多い。良いにおい(匂い)は大和言葉で「かおり」や、漢語で「香気(こうき)」とも言われる。「かおり」に漢字を当てる場合は「香り」「薫り」「芳り」などであり、「芳香」といった熟語もあるる。いずれも当用漢字で、「芳」は表外訓などが当てられる。

色彩

色彩においての「におい」は、赤などのあざやかな色彩が美しく映えること。視覚で捉えられる美しい色彩のこととなる。わかりやすい例としては「いろは歌」。冒頭で「いろはにほへと(色は匂えど)」とある。日本文化や着物がお好きな方なら詳しいと思うが、「襲色目」という女房装束の袿の重ねに用いられた襲色目の一覧があり、その色のあわせで、上を濃く下を薄くする配色も「匂い」という。

紙媒体の印刷では、日本の伝統色などの指定もあったりするが、WEBの色指定で日本の伝統色のRGB置き換えを希望される方はそうそうお目にかかったことがない。例えば、呉服屋さんや和菓子屋さんがブランド戦略で日本の伝統色を指定したカラーリングのサイトなど作れたら素敵だろうと思う。

私が学生時代からずっとお世話になっている呉服屋さんは、WEBサイトを未だに持たない。お教室や着物散策体験、お茶会など、きめ細やかで良心的な多様なサービス展開をしているのでサイトを持たないのが不思議で、10年ほど前にふと伺ってみたところ「業者と打ち合わせをして、構想したりもしているが、やるからには中途半端な情報発信のものは作れないので、なかなか進まなくて、、、」と仰っていた。時代の流れに一石を投じたいような、拘りや誇りを漂わせていた。おっと、話が逸れてしまいそうなので、その話は仮止めとする。

花の部位

伝統的に花の雄蕊雌蕊をまとめて「におい」と言う。日本画や友禅などの和柄、焼物、漆器の蒔絵、絞り細工など細工の花の中心部分のこと。奥により強い存在を感じさせる表に一部が表出したものを「匂い」と呼ぶ。

匂い・香り

においの中でも、特に好ましいものを「かおり」「香り」「香気(こうき)」「芳香(ほうこう)」と呼び分けることがある。

良い香りを身体・衣服・住居などに漂わせる文化は、東西を問わず古来からあり、花やハーブ、香水や香を発達させてきた。西洋で蒸留したアロマオイルが衣食住に活用されていった発展は、東洋の最たるものとしては香道にあたるかもしれない。現在は、様々な芳香剤や香料が、衣食住の生活用品や食品にあふれている。

臭い・悪臭

不快なにおい、くさい(臭い)においは「臭」という漢字をあて「臭い(におい)」と書く。臭いの中でも特に強い不快感をもたらすものを悪臭と言う。

営業部屋は、エアコン臭(なぜここだけ?)、アイコス臭、私の食べたスルメ臭、私が料理で作って食べたナンプラー臭などが代表的な例として、悪臭イメージがついている。言い訳だが、営業部屋は奥まっており、風の通りの悪い場所に位置するため、「やむ無し!」なところもあるとは思う。しかし、意識的に気をつけているところです。今や、気をつけ続けたい!と、宣言しつつ、人がニオイからどのような影響を受けるかについて、後編で迫ってみたい。

香りにまつわるエトセトラ -営業部屋のニオイ問題- 後編へ続く