【お茶会】俳句会2018冬の陣(後編)

前編に引き続いての後編になります。さて、後編では前編で紹介した各句を、作者ごとに作意や、僭越ながらこの句会のブログ執筆を仰せつかった自分の感想と共に振り返って、最後に得票結果をご覧いただこうと思います。それでは早速、各人の句を見てまいりましょう!

テーマ「冬」

冬

皆口

しゃぶしゃぶの しゃぶしゃぶしたにく おいしいな
-しゃぶしゃぶしゃぶりたい。

今回、一句のみの皆口の句は超直球な内容でした。この俳句会の前後で、忘年会の開催場所プレゼン大会が開催されたのですが、その際に2017年と同様、「黒豚しゃぶしゃぶ 島津」をプレゼンしてくれた皆口の気持ちが詠み込まれているのかな、と思っています。しゃぶしゃぶという音を繰り返す擬音語を、更に繰り返したこの句は、音だけでなく字面で伝わる面白さがありますね。

冨樫

ひなたで猫のようにただねむりたい
-山頭火っぽいものを詠みたかった。

雪が降る 熱燗呑みに 中野屋へ いらっしゃいの 声あたたかく
-寒いと熱燗呑みたさが増すっていう想いを中野の行きつけの立ち飲み屋さんに寄せて。

冬の夜 はやる心で 急ぎ足 おかえりなさいの 声聞きたくて
-さむいと人恋しくなるよね。

お酒好きらしい彼女は中野駅前の立ち飲み屋さんでの冬の他に、ロマンチックな句が入っていたのが個人的に意外でした。猫の句は冬っぽくは無いかも知れませんが、口に出した時の読み応えも、目に浮かぶ光景も、サラッとしていて好きです。自分もこの句に1票を投じました。

菊地

みかん好き 今年の冬は 三人に
-夫婦でみかん好きですが、二歳になった娘も加わり、みんなで好きだよってよみました。

寒いから 今年もこれで 酒を飲む
-色々理由つけてお酒のむってことです。

白い息 意味も持たずに はーと吐く
-寒いと意味もなくはーって息はいちゃうねってことです。

社内ではことあるごとに意識が高いキャラとされがちなスーパーディレクター菊地の句は、反面、ほのぼのした物が揃っています。お父さんらしい蜜柑の句に優しい人柄が表れていていいですね。

矢田

ちくわぶが 熱い熱いと 鶴太郎
-好きなTV番組の話です。

暖房と電子レンジで飛ぶデータ
-ブレーカーが飛ぶとWeb制作会社ではエラいことになります。

熱燗と3点盛りと鮟肝を
-お刺身3点盛りが名物の立ち飲み屋さんの話です。

自分は冬や寒いといった分かりやすい単語をタブーにして作りました。自分としてはどれもパッと絵が浮かぶものが作れて満足しています。WEB制作会社あるあるが詠めたのも良かったかなと。片岡鶴太郎さんにはまたいつか熱々のおでんを食べているところを見させていただきたいです。

吉富

おもちとね こたつがあれば まんぞくだ

クリスマス サンタクロース クリスマス

ふゆやすみ ことしは長くて うれしいな

寒すぎて ちりもつもって 雪となり

デザイナー吉富の句もストレートな気持ちを語った句が並びました。彼女はお茶会運営委員でもあります。以前、momomoに所属していた大沼に通ずる雰囲気が感じられますね。クリスマス好きなんだね!って感じですね。

山口

かじかむ手 君を待ちながら打つメール ホットレモンを買ってくれたね
-「冬の青春」をテーマに一句。

ストーブに二人で並んで待つ電車
-学生時代に使っていた、小屋みたいな半無人駅にストーブが置いてあったのを思い出して一句。

急な雪 はいてきたくつに覚悟させる
-朝ローファーで登校して、帰りぐっちゃぐちゃになる。そんな一句。

雪国出身という彼女のリアルを感じさせる山口の句。「君」や「二人」といった単語を使った、相手との関係をイメージさせるロマンチックな句に、彼女の作品的な好みが出ている気がします。

鈴木

ゴロゴロと 食ふ寝る遊ぶ 冬眠だ ポカポカが好き 冬の醍醐味
-ほのぼのととした冬の光景。

なりたいな 遠藤さんの お子様に 花園神社 お年玉
-お年玉を渡す人と、それを受け取る嬉しそうな子供の、幸せなやりとり。

マフラーが 木枯らしに揺れ 視線合い
-風になびくマフラー。寒いだけではなく人と触れ合ういち場面。

好きスノボ 好き好きスキー 雪が舞う
-雪山に、年に1度は遊びに行きたい気持ち。

週末は ジングルベルな お付き合い
-イベントだ!と、のんびりはしゃげるのは大人の週末。

北風を 二人で受けて 南風
-寒くても、二人で寄り添えば、暖かいかな。

誰よりも多作な鈴木。皆同じ時間内で制作しているのですが、圧倒的でした。言葉のアウトプット力の強さを感じます。北風を 二人で受けて 南風 は聞いた時に意味がよく分からないし説明を見てもいまいちよく分からないのですが、何かかっこいいですね。何というか、こなれてるなぁ、と思わされました。

フォスター

あげるより わたしが欲しい! プレゼント 「サンタわたしは まだこどもです」
-おとなになったけど、親になったけど、それでもまだまだプレゼントがほしい!

初の句会参加のフォスターは、高校生のお子さんがいる彼女らしい素直な気持ちを詠み上げてくれました。大人でも親でもプレゼントは欲しいですよね。そうだよね。

春木

手袋を 持っているのと 言い出せず 左手だけが あたたかかった日

吐く息の 白の白さに驚いて 目と目が合って 少し笑って。

礼をして 2度手をたたき 礼をして 「ずっと2人で 来れますように。」

恐らく社内一のロマンチスト、春木の句は前回同様、超甘口でした。自分は付き合いが長いので彼のこういう一面はよく知っているのですが、それでも少し驚いてしまうというか感心してしまいます。自分の中には全然ない類の詩性ですね。

落合

HOT押す COLDでてきて ホッとする
-小さな笑い。

寒いとね 死後硬直が 遅いよね
-サイコパスな笑い。

毎度、問題作を発表してすぐに誰が作ったか分かる、で社内ではお馴染みに落合の句は、サラリーマン川柳のような句と狂気の一句でした。「遅いよね」とさらっと語り掛けている様子がより異様なシチュエーションを思い起こさせるとして、会でも高い人気を博していました。ちなみにではありますが、会社的にNGになって今回のブログで検閲を受けている句がもう一句あります。

さて、それは最後に得票結果をしたいと思います。

俳句会2018冬の陣で最も票を集めた俳句は…、

暖房と電子レンジで飛ぶデータ」でした!

2位以下が3票獲得で割れている中、保存していないデータが消える悲しみが制作会社あるあるな共感を呼んだのか、1位を頂戴しました。ちなみにこの冬も何回か飛んでおります…。

優勝特典は前回同様、「俳句会についてブログを書ける権」でしたので、やっぱりこのような記事を書いている次第です。オチが同じですみません…。

以上、【お茶会】俳句会2018冬の陣のご報告でした。